学校の屋上にいる謎の男
中学時代は窓際の席だった。
授業中は、よく外を眺めてた。
窓からは隣接する高等部の屋上が見えるのだが、あるよく晴れた日のこと。
高等部の、屋上にスーツ姿の男が背を向けて立っていた。
体型は中肉中背で、見るからにサラリーマン風の男。
屋上には上がれないよう鍵がかかっているはずだから、誰かが屋上にいるのは初めて見た。
ずっと窓の外を見てたら、先生に注意される。
理由を説明すると、先生も同じように不思議がって男を見つめた。
もしかすると部外者の可能性があるから、一応確認してくると、先生は教室を出て行った。
残された自分たち生徒は、先生が屋上に現れるのを期待して男を見続けた。
一分も経たないうちに、男は奥の方へ消えてしまった。
最後までずっと後ろ向きだった。
結局、先生は屋上あがることなく10分程してから戻ってきた。
やはり、屋上には鍵がかかってたというのだ。
次の授業の時間に、他の先生たちと鍵を持って屋上に人がいないかを確認しにも行ったらしい。
屋上はおろか、校内からもそれらしい男は発見されなかった。
あのころ、うちの学校で問題になった事件。
近所のおっさんが忍び込んだ可能性はあるけれど、やはり不思議。