怪奇現象が起こる修学旅行で泊まったホテル

怪奇現象が起こる修学旅行で泊まったホテル

怪奇現象が起こる修学旅行で泊まったホテル

私が、8年前に修学旅行で沖縄に行ったときの話。

その日は、修学旅行の初日。

空港から、いくつかのチェックポイントを班行動で探し出し、最終的に先生達の待つホテルにチェックインするという流れだった。

私たちの班は道中、ソフトクリームを食べたり、土産物屋に寄ったりと、それなりに旅行を満喫しながら問題なくホテルにたどり着いた。

本題は、このホテルに着いた後。

そのホテルは、市街地のど真ん中。

しかも、左右を活気のある店に挟まれている賑やかな区画に建ってた。

ただ、なにかがおかしい気がした。

少し曖昧な部分もあるのだけれど、その日は晴天だったはずなのに、そのホテルの周りだけが曇り空に見えてしまうように、空気がどんよりと重かった。

気味の悪さがあった。

同じ班の友達は、ホテルを見るなり「うわー・・・ボロい・・・」と言っていたけど、気味の悪さは感じていないようだった。

「ここには、泊まりたくない。」

と、本気で思ったけど、そんなワガママが許されるわけない。

私は、しぶしぶながらホテルにチェックインした。

建物内部の総合的な感想は、「暗い」の一言に尽きた。

廊下も部屋も、ロビーですら、なんだか暗かった。

私の宿泊する部屋は、5人部屋(他の部屋は4人部屋だった)で、この部屋もウンザリするくらい暗かった。

部屋の窓は、一般的なレール式の窓ではなくて、窓の下の方についたレバーを押すとガラスが向こう側に開くタイプの窓?だった。

行きの飛行機の中で、「1日目のホテルは、明るくてすっごく綺麗だったよー。」という友人からの話(パンフレットを見た)を聞いていたので、当時の画像加工技術を心底呪ったよ。

ダラダラ書くと長くなりそうだから、このホテルでの事件を2つに絞ることにしようと思う。

1つ目の事件は、入浴時間中に起こった。

入浴は、部屋のユニットバスで一人ずつ順番に入るよう言われた。

私の部屋は人数が多いから、順番が来るまで時間がかかった。

待ちの時間は、皆でテレビを見ながら時間を潰してた。

すると、突然。

「キャーーーーーーーーーーーッ!!」

という、悲鳴が浴室から聞こえてきた。

大きい悲鳴ではなかったけど、入浴中の友人が転んのではないか心配した私たちは、浴室のドアを開けた。

でも、浴室の中には誰もいなかった。

それどころか、電気すら点いていなかった。

わけが分からずに、私達はお互いの顔を見合わせる。

するとそこに、部屋のドアが開いて、入浴中だと思った友人が入ってきた。

「みんな、何やってんの・・・?」

「え?あんた、風呂・・・入ってたんじゃないの?」

「あー、お風呂の準備してるときに、班長会した部屋に忘れ物したのに、気付いて取りに行ってたわ。ごめん、ごめん。」

「じゃあ・・・・さっきの悲鳴は、あんたじゃないってこと?」

と、私。

「何?悲鳴って?」

と、不思議そうな友人。

「・・・・・・・・・・・」

浴室のドアは、部屋の入り口の真ん前にあった。

部屋のテレビに目をやると、入り口は完全に死角になる。

なので、彼女が部屋を出たことに誰も気付かなかったんだろう。

でも・・・あの悲鳴は、一体何だったのか。

廊下から聞こえた声かもしれない。

ただ、それにしては嫌に声が鮮明だったし、何より廊下には生徒が粗相をしないようにと、監視役の先生が2人いるのだ。

2つ目の事件は、私と友人が部屋に2人でいるときに起こった。

入浴も夕食も終わり、消灯までは自由時間。

私と友人は、部屋で漫画やアニメの話をしていた。

お互いがお互いに、当時ハマっていた作品を勧め合っていて、話に熱中していた。

二人は、私のベッドに裸足で上がっていた。

ベッドの位置は、部屋の中でも一番入口に近い場所で、寝転ぶと頭の方に窓、足元に浴室と部屋の入り口がくる位置にあった。

たぶん、某・海賊漫画の話をしていたときだったと思う。

突然、どこからか

「う・・・う・・・・うぅ・・・・・」

という、女性の呻き声のようなものが、はっきりと聞こえてきた。

それは、問題の浴室の方から。

私と友人は、話すのがピタリと止まる。

2人で、ただ浴室の方を見つめていた。

つけっ放しにしていた、テレビのバラエティーの音声が、白々しく、遠くに聞こえる。

逃げ出したかったけれど、部屋のドアは浴室の向こう側にある。

どうすることもできずに、凍りついてる私たちの目の前で、浴室のドアが、ほんの数ミリ開いた。

友人は、息を飲んで私の腕を痛いぐらいの力で掴んだ。

「たーだいまー!!!!!」

そのとき。

部屋のドアが開き、他の部屋に遊びに行っていた友人3人が帰ってきた。

そして、浴室のドアを邪魔そうに閉めると、他の部屋で恋話をしていただの、男子の部屋に行ってただのと、楽しそうに話し始めた。

私たちは、ヘナヘナとベッドに崩れ落ちてしまった。

私の身に起こったの不思議な出来事は、この2つ。

このホテルでは他にも、別の部屋では、窓が一晩中ドンドンと叩かれているような音がしたり、最上階なのに上階から足音が聞こえたりと、様々な怪奇現象が起きていたらしい。

スポンサーリンク