妻の顔が恐怖に引きつる 旅行帰りの車内
これは、最近のことです。
車で妻と2人、仙台まで旅行に行きました。
その帰り道。
時刻は午前0時を過ぎたあたりだったと思います。
道は、多少混んではいましたが、自宅まで10km過ぎころには、自分たちの周りには車は少なくなり、50メートル先を走る車が一台だけ。
「旅行、疲れたね」
などと他愛のない会話を妻としていると、急に前の車がクラクションを鳴らしながらなにかを避けたような動きをしました。
対向車線を大きくはみ出す運転でしたから。
ただ、道路を見る限りそこには何もなさそうなのです。
いたって、なにもない普通の道路。
なんだかおかしいな、と思っていたら、前の車の動きがさらにおかしくなってきたのです。
歩道ギリギリのところを走ったかと思えば、今度は対向車線からはみ出たり、減速したり。
「これは、近づかない方が良さそうだね」
と妻に話しかけとき、妻は突然叫びました。
「曲がってっ!」
意味が分からず
「なんで?」
と聞いても
「いいから、そこをすぐに曲がってっ!」
と叫んでいます。
妻が叫んだところは初めて見ました。
顔を見ると、恐怖に引きつったかのような表情です。
謎は残ったままですが、この異常な空気を察知し、次で曲がり、しばらく直進してから妻にもう一度聞きました。
「どうしたっていうの?」
「あのね・・・・さっきの車、おかしい運転してたでしょ?あれ、助手席に座っていた人が、運転席の人を刺してたの・・・・」