怖い話 深夜のお堂に無数の老人が
大学のころ、1ッ週間くらいの予定で、山篭り(やまごもり)に行った。
四日目に、あるお堂を見つけたから、そこに勝手に入って一晩を明かすことに。
目を閉じてはいるものの、なかなか寝付けない。
時刻は深夜。
今、自分の周りをぐるっと大勢の年寄りが正座で、取り囲んでいるようなイメージが頭の中にふとよぎる。
なんだこれ?
空想?
いや・・・・違う。
何か声が聞こえる。
ボソボソと呟くような声だ。
この何とも言えない嫌な感じを払拭すべく、勇気を振り絞り目を開けてみた。
すると、目の前には無表情な年寄りの顔が無数にあり、一斉にこちらを覗き込んでいたのだった。
・・・・気がついたときには朝だった。
周りには誰もいない。
自分一人だけだ。
昨夜のあれは、悪い夢を見たのだと自分に言い聞かせる。
とはいうものの、あまりの恐怖にその日すぐに下山してしまった。