バーのトイレの摩訶不思議な体験
友達と3人で、バーカウンターで飲んでいたときのこと。
その店の中に、客は俺達だけだった。
マスターを交えて4人で雑談していたら、マスターが
「あれ?今、誰かトイレ入りませんでした?」
と聞いてくる。
「入ってないですよ。だって、俺たち全員いるし。」
店は、カウンター、キッチン、酒とグラスなどを並べている棚、その裏がトイレという構造になっている。
「あれ、じゃあ、気のせいかな。今トイレの扉が閉まる音がした気がしたから。。。。」
マスターがそう言い終わらないうちに、トイレからは水を流す音が聞こえてきた。
「誰か、トイレだけ借りに勝手に入ってきたんじゃねえの?俺が、文句言ってくる。」
酔った勢いで、ツレの一人がトイレの前へ行くと、扉を激しくノックした。
中からの反応は無い。
「早く出て来い。我慢できなかったんなら、一言許可とるのがマナーだろうが!」
それでも、反応が無い。
ツレは頭に血が上ったのか、ドアノブを掴むと強く引く。
中から鍵はかかっていないようで、ドアは少し開いたが、すぐに物凄い力で閉められた。
どうやら、中からドアを閉めようとしているらしい。
「おいっ、さっさと出てこい!」
ツレが何度も怒鳴っていると急に扉が開いた。
中からは、なんともいえない生温かい風がブワーっと出てきた。
皆で中を覗いてみると、そこには誰もいなかった・・・・
その場にいた人間は、しばらく沈黙・・・
そして、何も言わずに、カウンターの席に戻った。。。。