不思議スポットのビジネスホテル

不思議スポットのビジネスホテル

不思議スポットのビジネスホテル

一昔前のこと。

出張で、常磐道桜土浦IC辺りの、ビジネスホテルに泊まった。

和室で畳部屋だった。

部屋は、扉の先に廊下があり、そのつき当たりが客室。

廊下脇にユニットバスというシンプルな作り。

畳に寝転んで天井を見ると、シミがある。

それほど、新しいホテルではないからシミの1つあってもおかしくない。

だから、それほど気にしていなかった。

その日の業務日報を作成し、時刻はそろそろ24時。

気づけば小腹が減っている。

近くのコンビニへ買い物に出かけ、 部屋に戻ってくると、さっきよりもひんやりと感じた。

冷房つけてたかな?

冷たい空気以上に、空気が重いことが気になった。

何か視線のようなものも感じ取れた。

疲れているのかな・・・

今日は、早めに寝た方が良さそうだった。

コンビニで調達したおにぎり3個は明日食べることにして、その日はビールを飲んで寝ることにした。

自分は、電気をつけたまま寝る癖がある。

敷いた布団に仰向けに寝転寝転ぶと 天井のシミが目に入った。

なんだか、昼間に見たときと形が違う気が・・・

なんだk、人の上半身のような形になっている。

アルコールのせいか?

気にせず眠ったのだが、途中目が覚めた。

やけに寒い。

時計は3時を指していた。

冷房つけてたっけ?

冷房のスイッチを触ってみると、冷房はついていなかった。

なんだか、背後(扉の方)から誰かの視線を感じる。

振り返っても誰もいない。

ここ、なんだか嫌だな・・・・

寝返りをうち仰向けになると、天井のシミが無くなっている!

立ち上がり念入りに見ても、やはりない。

どうなっているんだ?

ふと目線を扉の方へ向けると、そこにいたのだ。

黒くて、輪郭のぼやけた人の形をした得体の知れなものが・・・・

なんだかモゾモゾ動いている。

恐ろしいことに、ジワジワとこちらに近づいてくる。

これはやばい・・・

直感的にそう思ったものの、なぜか体は動かない。

金縛りか?

黒いものは、這うようにこちらに近づいてくる。

もう、3~4メートルしか距離はない。

俺は、ただ震えてビビるしかない。

それは、俺の足下にまで来た。

次の瞬間、俺の意識は遠のいた。

気絶してしまったらしい。

目が覚めたとき、時刻は8時半を過ぎていた。

やば、遅刻だ。

身支度をしすぐにチェックアウト。

営業車に乗り、移動しながら昨日のことを思い出す。

昨夜の不思議な体験を不気味に感じながらも、腹が減っていることに気が付いた。

コンビニで買った食べていなかったおにぎりを食べようと思い、車を道路わきへ停めた。

ビニール袋の中に手を入れると、なぜか中が濡れてる。

おにぎりは2個しか入っていない。

3個買ったはずだ。

気味が悪い・・・・

昨日の怪奇現象があったため、そのおにぎりを食べるのは止め捨てることにした。

その後、営業先で泊まったビジネスホテルについてそれとなく尋ねてみると、地元ではけっこう有名な不思議スポットなのだと知る。

それを聞いて納得し、2度とそこには泊まっていない。

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