有名な都市伝説 廃病院への肝試し
ある若者グループが、廃病院へと肝試しにやって来た。
若者たちは、ワイワイ騒ぎながら病院の中に入り込み、いろいろと中を探索。
床には、ところどころに注射器や医療器具やらが転がっている。
ときには、個人が特定出来てしまうのではないかと思えるカルテなんかも無造作に床に落ちていた。
グループ内の一人の若者が、肝試しに来た「戦利品」と称してカルテをお土産に持ち帰ってしまった。
幽霊が現れることはなかったけれど、皆それなりに場の雰囲気を楽しんで帰って行った。
次の日の晩。
カルテを持って帰った若者の自宅の電話が鳴った。
電話に出たのは、その若者の母親だった。
「○○病院から電話よー。」
若者はその電話を友達のイタズラかと思った。
○○病院というのは、昨日探索に行った廃病院の名なのだ。
電話に出てみると、聞いたことのない声だった。
「○○○○さんですよね?」
それは、若者のフルネームだ。
やはり友達のイタズラか?
次の瞬間、それがイタズラではないことがわかった。
「カルテを・・・・返して・・・・もらえますか?」
その声は、男とも女とも若者とも老人とも言えぬような、酷くおぞましいものだった。
まるで、あの世から響いてくるかのような恐ろしい声。
若者は、背筋に冷たいものを感じ、カルテを廃病院に返しに行ったという。