ソフトな怪談 死を知らせるカラス
俺は、中2~高2のころまでの丸3年間、学校へもほとんど行かない引きこもりだった。
高1か高2のころのことだった。
一時期、朝から晩までずーっとカラスが鳴き続けていた。
カラスは、そのあたりの地区全域で泣き続けるものだから、騒音で住民も迷惑がっていた。
カラスは、ずっと鳴き止まない。
だんだんと、住民たちは不吉な何かを感じるようになっていた。
カラスが鳴きはじめてから、三日ほど経ったある日のこと。
カラスたちの鳴いている場所の範囲が、徐々に狭くなってきてる事に気が付いた。
日を追うごとに、鳴き声の範囲は狭まっていき、ついには俺の自宅の近所に集中するようになってきた。
それから4~5日後のある朝、俺の家の隣の家に、数えきれないくらいの無数のカラスが集まっていた。
その家に住むおばさんが、必死に追い払おうとしてたが、追い払っても追い払っても戻ってくる。
翌日・・・
その家に住んでいた、おじいさんとばあさんが亡くなったのだ。。。
死因は老衰。
二人が亡くなってから、あれだけ鳴いていたカラスがぴたりと鳴くのをやめた。